今回私が紹介するのは歌声りっぷ(UtagoeRip)というフリーソフトを用いたボーカル抽出方法です。
エラーの対策、抜けない理由、抽出後の処理について書いています。
こちらのソフトです。
周波数合成というアルゴリズムを用いることでよりキレイに抜き取ることができます。
ご存知の方も多いと思いますが、細かなTipsや通常では諦めてしまうエラーに対する対策など、
他の記事に載っていないこともあると思うので是非最後までお読みいただけたら、と思います。
このソフトは16BitのWAVファイルのみのサポートで
D&D(ドラッグ・アンド・ドロップ)で持ってくると、
同じフォルダにあるInstrumental、Off Vocalとなっている音源ファイルも自動で認識します。
したがって、インストルメンタル未収録のシングルやアルバムの曲は抜き取れません。
また、MP3などの非可逆圧縮ファイルでも抜き取れませんので必ずWAV、AIFF、FLACなどのCD収録の波形をそのままリッピングしましょう。
エラーの対策、抜けない理由、抽出後の処理について書いています。
こちらのソフトです。
周波数合成というアルゴリズムを用いることでよりキレイに抜き取ることができます。
ご存知の方も多いと思いますが、細かなTipsや通常では諦めてしまうエラーに対する対策など、
他の記事に載っていないこともあると思うので是非最後までお読みいただけたら、と思います。
このソフトは16BitのWAVファイルのみのサポートで
D&D(ドラッグ・アンド・ドロップ)で持ってくると、
同じフォルダにあるInstrumental、Off Vocalとなっている音源ファイルも自動で認識します。
したがって、インストルメンタル未収録のシングルやアルバムの曲は抜き取れません。
また、MP3などの非可逆圧縮ファイルでも抜き取れませんので必ずWAV、AIFF、FLACなどのCD収録の波形をそのままリッピングしましょう。
目次
対策
たまにあるのがこのエラー『モジュールの読み込み違反』波形編集ソフトで前後の波形をカットすることで解決します。
おすすめはAudacityというフリーソフトです。
波形カットの仕方にはコツがあります。
オーディオデータ終了位置を揃えないことです!
写真のグレー部分がボーカルありとなしで位置が揃っていると歌声りっぷがうまく抜き取ってくれません。
そしてインストルメンタル側の波形を最大まで拡大して、無音部分を全部カットしてしまいましょう。コツは点が平らになり始めた最初の位置から最初の位置まで選択することです。
それでも抜き出すことが出来ない時は初めの無音を減らしていき、インストとボーカルありの波形の位置を揃えると抜き取れます。波形の共通している場所で削る必要があるため、根気が必要ですが、間違い探しのような感覚で楽しみましょう。
その場合、時間ずれ補正は手動、0で良いと思います。
最初ボーカル始まる楽曲の対処法
他の部分はきれいなのに、最初の部分だけきれいにボーカルが抜き取れない時はAudacityで無音を挿入し、ボーカルありの曲よりも後にインストが始まるようにするときれいに抜き取れる可能性があります。また、画像では波形合成になっていますが、周波数合成を選択し、音質優先で抽出レベルをMAXにするのがオススメです。
CD品質でしか抽出できないので、ハイレゾの場合はAudacityで地道にやっていくか、16Bitに変換して歌声りっぷを使うか、のどちらかを選んで抽出する形になります。
詳しい方法は後述します。
また、波形の位置が最初から揃っている場合はAudacity内で上下反転(位相反転)をすればそのままボーカルが抜き出せる場合もあります。
その場合周波数合成ではなく、波形合成になるため、ノイズっぽくなる可能性があります。
二次元アイドル系(ラブライブ!、アイマスなど)を中心にアニソンは結構波形編集だけでもなんとかなることがあります。
ハイレゾ音源での対処法
周波数はCD品質44.1KHz以外にも対応していますが、Bit数は16Bitしか対応していないのでAudacityで16Bitに書き出しましょう。手順は以下のようになります。
ファイル⇨Export(書き出し)⇨Export as WAV(WAVEファイルで書き出し)
ファイルの種類から「WAV (Microsoft) 16 bit PCM 符号あり」を選択します。
これにて完了です。
曲中の特定の一部だけ抜き取れない場合の対処法
時間ずれ補正の数値をいじると直ることがあります。
基本的には自動で問題ないですが、1小節程度の短いものであれば手動で補正範囲を0にすると対処できます。
また、長い場合は補正範囲を最大の999にすると解決する場合があります。
補正範囲を多くすると書き出しの時間は伸びます。
どちらも実例を経験済みです。
※CDの購入先を辿れてしまうほどマニアックな曲なので詳細は控えます。
キレイに抜き取れない例とその理由
・シンセサイザーの音だけが残ってしまう例えばfripSideですとblack bulletよりも前の曲はシンセの音が残ってしまいます。
その理由はシンセサイザーの仕組みにあります。
シンセ波形(ノコギリ,サイン,パルス波など)の再生位置が毎回変わるので、
MIDIではなく、オーディオ波形に(InPlace Rendering)してから書き出さないと
音楽制作ソフトのDAWで書き出す時に毎回音が変わってしまいます。
ただ、サンプルプレイバックタイプ、オーディオ波形にしたものを再生する音源だと仕組みが違うのでしっかり打ち消し合います。
・ギターの音が残っている
残念ながらギターをやっていないので不確かですが、DSP(コンピューター制御)で再現するタイプではなく、実機の回路を通すタイプのエフェクトを使うと起こるのだと思います。
・歌が割れている(特にサビに多い)
これはボーカルとインストルメンタルをDAWで別に書き出した後、音圧を上げる処理をする時にまとめて処理をするので、大きい音を圧縮しすぎて起こるクリッピングノイズです。
これは別途DeNoiseという処理をすることで緩和します。それ以外方法がないです。
リミックスしようとしている曲でこの場合に遭遇した事がないので、
自分試したことはありませんがAudacityにも近い機能があるかもしれません。
コレ系の処理は有料ソフトを購入することをオススメします。
・わずかなノイズやオケがところどころ残る。
マスタリングの差で起こるものではないかと想像しています。
特にハードウェア機材を使うと起こるのではないかと思います。
・全体に渡って微量のインストルメンタルが鳴っている
こちらもマスタリングの違いの可能性が高いです。
Audacityでボーカルありとインストルメンタルで共通している箇所の波形を比べてみましょう。
もし、全く同じの部分があれば、あるいは、音量を揃えれば、音楽の前後の波形をカットすることでキレイに抜き取れるかもしれません。
それでもダメなら諦めてiZotope RX7やAdobe Auditionなどを使い、ブラッシュアップしましょう。
・コーラスも消えてしまう
Off vocalと書いてあるものやごく一部のInstrumentalにはコーラスも収録されているものもあります。
この場合は残念ですが、当然コーラスも消えてしまうでしょう。。。
ちなみにfripSide以外だとElements Gardenプロデュースのシンフォギアの曲はキレイに抜き取れなかったです。
あと、僕が好きなI've Soundの曲はほぼキレイに抜き取れます。リーダーの高瀬一矢さんがエンジニア監修してるみたいです。
抜き取った後の処理
・リバーブの除去リバーブが好みじゃない場合はツールを使って取り除きます。
これもフリーソフトだと限界がありますが、SoundEngineなどを一度試してみるといいかもしれません。自分は使ったことないですが。
Adobe Audition、iZotope RX7、Zynaptiq UNVEILなどが有料ソフトだとあります。
ACCUSONUS ERAシリーズが最近だと少し話題???
・低音のカット
必要のない帯域はローカット(ハイパス)フィルターを使ってカットします。
男性なら80-180Hzあたり、女性なら180-240Hzあたりで違和感ないところでカットします。
リミックスで他のオケに混ぜるなら多めにカットしてもわからないです。その場合はもとに戻せない状態にするのはやめましょう。
・超高音のカット
ディザリングノイズ(Bit数を下げる時に発生するノイズをごまかすためのノイズ)などにより高周波にノイズが乗っています。
それをカットする作業です。
ただ、ボーカルの抜けの部分も消えてしまうのであまりオススメはしません。
・無音部分をカット
全くノイズがない曲はないので、声がなくなったらそこは削ってしまうのがオススメです。
また、声の残響が突然消えるのもおかしいのでフェードアウト、フェードインも駆使するといいです。
フリーソフトのStudioOne Primeはその作業にかなりオススメです。
総評
波形の前後カット、音量合わせ、波形の位置合わせの方法を頭の片隅において頂いて、ボーカル抽出をしていただけたらなぁと思います。全シングルにインストルメンタルが入ってて、きれいにボーカルが抜き出せるようになってほしいというのが願望ですが、なかなかそうはいかないですからね。有料ソフトでiZotope RXシリーズなどがそういう場合は役に立ちます。【いつもありがとうございます】
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以上
MazQでした〜!
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— MazQ / MusicMaker (@MazQmusic) 2019年1月30日
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次回もお楽しみに!